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過去の振付作品(動画を御覧いただけます) my past works(you can watch short movie)
「under my skin」2009
「lost child」2010
short improvisation for solo work 2011
「toc toc toc」2011


3/21(Thu)

【豊饒の海】

昨日の公演、無事に終了させていただくことができました。
関係者の方も含め100名以上の方に御来場いただき、お蔭様で両回ともに満席となり、ただただ感謝の
気持ちで一杯です。

今回の公演は檜垣智也さんが作曲された「豊饒の海」全10曲、63分の音楽にダンスを振付けさせてい
ただくという試みでした。音源はすでに完成されているものでしたが、檜垣さんからは兎に角自由に創造
してくださいと温かいお言葉をいただき、兎に角私の妄想を存分にさせていただきました。檜垣さんが普
段されているアクースモニウムという奏法は多数のスピーカーを会場内に設置し、その音量を生で操作す
ることにより空間を生み出すという私にとってはとても興味深いものであり、またそのスピーカーが舞台
美術としても非常に存在感のあるものだと感じたので、舞台や客席にも設置していただくことをお願いし
ました。

私自身は45分を超える作品を創るのが初めてで、しかもずっと音が在り続けるということにも初めてでし
たが、自分への挑戦の意味も込めて参加させていただくことにしました。ダンサーも始めから女性ばかり
がいいなと(これはほぼ直感です)思い、4名のダンサーに集っていただきました。

作品を創る過程としては、まず檜垣さんの作品についてのテクストや曲の題名は一切見ない状態で、曲のみ
を聞いて、しかも個別に一曲ずつ聞くのではなくすべて通しで聞いて、ほぼすべての構成や世界観を決定し
ました。常に新鮮であること。作品を制作する側は何度も何度も曲を聞いたり、動きを練習しますが、実際
にそれを御覧になるお客様にとって、そこに必要だから身体がある・必要だから音楽があるという事が大切
だと思うからです。何度も練習して作り上げるものだからこそ、作品にも、私達自身にもそのような感覚は
大事だと考えます。あたかも今ここに生まれ出てきたかのように自然にそこに存在するということは私にと
っては大切なことだからです。そこから「この曲はこの作品の中でこういう役割を持たせたい」とか「こう
いう振りや構図をやってみたい」「こういう風にしたらどうなるだろう」という感じで確定事項と試したい
ことをどんどん平行して進めていきました。そして少し経ってから実際に檜垣さんがそれぞれの曲につけら
れた題名や作品についてのテクストを読み、また仏教世界などについて書籍を読んだり、資料を集めたりし
ました。また音楽も、自分なりに楽譜を書いて、それをダンサーと少しずつシェアしていきました。
空間の創造や構成について言えば、「音楽との距離感」を考えていました。アクースモニウムの特色である
音が創りだす立体空間を創造し、時には音楽が風景となり、時にはダンスが風景となる。時には音楽が心象
風景となり、時にはダンスが心象風景となる。また時には二つが合わさるシーンをイメージしました。です
ので、ダンスに集中するシーンもありながら、音楽の世界に集中し、世界を妄想する中での波長というかそ
の空間を形作る何かとしての身体というものにも挑戦しました。これは実際に私が檜垣さんのアクースモニ
ウムの演奏を聞きに伺ったときに、その音楽から妄想する風景や世界がとにかく膨大なものだったからです。
どこかへしばらく旅にでていたような、そういう感覚がしばらく残っていました。
様々な音から誘発され、描かれる「記憶の空間美術」という感覚がありました。例えば何かのにおいをかい
だときに、その以前の記憶を思い出してその場にトリップする感覚。その音を聞いただけで何かを思い出す。
それは非常に個人的な経験に基づくものであり、どんどん世界が広がる感覚がありました。
ですので、音楽と一緒にどこかに旅をする。でもいつかまたここに戻ってくる場所としての身体という感じ
のシーンも創造しました。

ちなみに最終的に私がそれぞれの曲につけたタイトルはこのような感じです。
1、繭・うごめき
2、はじまり・輪舞のような
3、play・噛み合わないおしゃべり/蒼の森
4、→・同じベクトルで
5、しらせ・予感
6、蜘蛛の糸・欲望の象徴
7、繭・へその緒
8、破壊と再生
9、光の墓標・光のほうへ
10、終わりなき道
あくまでも言葉はイメージや方向性を示すものとして捉えていただければ良いかなと思いますが、鑑賞後の
鍵となればと思います

一人一人の人間を浮き彫りにし、自己と他者を認識し比較しその存在を確かめ、時に自らの欲望や煩悩に翻
弄されながらも根源的な部分を見つめ、最終的には性も音楽も振付も何もかもを超えた、人間そのものを感
じていただければと思いましたし、檜垣さんの曲に私はそういうものを感じました。
このブログにも書かせていただいていましたが、今回出演してくださったダンサーはそれぞれの環境で、そ
れぞれの生活を営み、今を生きる人間です。それぞれが日々悩み、喜び、生きている。その人生そのものが
この作品の核だと思いました。

【豊饒の海】に寄せての檜垣さんのテクストに【金剛界曼荼羅】と【胎蔵界曼荼羅】について書かれている
ところがあります。男性的な世界、女性的な世界に分けられた曼荼羅に描かれている大日如来を中央とした
数々の仏様は皆穏やかなお顔をされています。そういう理想の世界を願う、私達が生きるこの世の中は生きて
行くことはそう簡単なことではありません。煩悩や欲望や自我から逃れることは出来ないし、必ず人は死んで
行く。でもそういう自己と対峙し、常に自己の根源(生と死)を見つめながら、性も何もかも飛び越えて少しず
つ少しずつ自分の足で光の見える方向へ歩んでいけたらと思うのです。

音楽もダンスも照明も空間も何もかも、人間が生み出す素晴らしい産物だと思います。
どんな作品も最終的には「人」だと思います。
今回このような機会を与えてくださった上念さん、そして檜垣さんに感謝の意を込めて。

そして最後に私と一緒に作品を創ってくれた、そして真剣に自己と対峙してくれたみほ、えりか、ゆみ、るか
に感謝と尊敬の念を込めて。ありがとうございました。



3/9(Sat)

【豊饒の海リハーサル】

先週のみほとのリハーサル。


たまに1体1のリハーサルも。お互いに真剣勝負です。
集中しているので、も〜ほんと、あっという間に時間が経つ。。。

一人の人間とじっくり向き合うことの大切さを感じます。

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お席も埋まりつつあります。御予約はお早めに***



3/9(Sat)

【豊饒の海リハーサル】

昨日は【豊饒の海】のテクニカルリハーサル(作品をスタッフさんに見ていただき、照明さん、音響さん、
舞台監督さんと打ち合わせをするリハーサル)でした。


こんな看板を目印に。


みんなでバーレッスン。

初めて人に見ていただき、見えてくる部分もいくつか。
あと10日余りですが、熟成させていきます。

そして今日は昼からみんなで稽古。


ほんま、元気な人たちです。。。 今日もありがとうございました~***
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本番近くなってきますとお席の確保が難しくなる場合がございますので、御予約はお早めに。



3/6(Wed)

【豊饒の海リハーサル】

今日のデザート。バウムクーヘンとチョコレートケーキ。。。ごくん。
誰かが狙ってる(><;)


作品の振り付けはほぼ完成。brush up→run therowしての繰り返し繰り返し。
作品が熟していく。面白いです。




そして衣装も準備中。今日は高橋氏にdrawingしてもらいました。


彼は大学が舞台美術専行で、絵を描いたり模型を作ったり、舞台美術をデザインしていたので、
いまもUMLAUTとして美術をやってもらったり、衣装に色をのせたり、いろいろやってもらって
おります。どんな風になっているのかはお楽しみに。。。

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3/4(Mon)

ここ最近のリハーサル。
るかのおうち近くのスタジオで。少し長丁場のリハーサルでしたが、るかのお母様からのおいなりさん!
えりかのチョコレートケーキ!
癒されます。。。



そして今日のリハーサル。ここには人間が3人います。どんなことになっているのでしょうか。



こうやって卒業してからも踊り、作り続けていられるのも周りの人の支えがあってのものだといつも思う。
そしてやはり、ダンサーの力は大きいと感じる。
今回出演してくださるのは神戸女学院大学での同期と後輩で、卒業後それぞれがそれぞれの生活をしながら
リハーサルに参加してくれている。それぞれの人生があって、ペースがあって、一人一人が責任ある人間と
して生きている。学生の頃のように一日中ダンス一色で、家には寝に帰るだけのような生活とは違い、その
ギャップに悩むこともある。何でも同じだけれど、続けることは本当に難しいことだと思う。
私自身も作品を作らせていただく側として、ダンサーに対して出来る事を常に考え続けている。
自分でなんとかできることもあれば、自分ではどうにも出来ないことにも向き合っていかなければならない。
でも今、ここに生きている自分と対峙し、現実と向き合いながら、少しずつ少しずつ未来に向けて自分の希
望を積み重ねていくこと。卒業した今も、こうやって友人達と一緒に踊ることができるのは、ダンスのおか
げだと思う。私自身は、実は人と関係を築いていくのがあまり上手ではない。小学生や高校生の時は学校に
行かなかった時期もあった。だからダンスや作品は、私と他者を繋げてくれている媒体なのだと思う。おお
げさかもしれないけど、本当の事です。
そして、例えば去年私が入院して踊りから離れた時期があったり、いつか踊り続けることを辞めたとしても、
いつでもどこでも、場所や時間を軽々と超えて、踊って踊って誰かと繋がり合い刺激し合う事が出来ると信
じているし、そうでありたい。

ダンサーはいつも、私と時に共犯者となって、時に主犯者となり、私達を驚かせてくれる。
いつもいつも、戦いながら、笑い合いながら、心踊りながら。素晴らしい仕事だと思う。

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